「事業承継」って何?
事業承継とは、現経営者から後継者へと事業のバトンタッチを行うことです。
不動産や機械設備など個別財産を譲渡するだけでなく、従業員や取引先との関係、技術やノウハウなどの経営資源も含めた一体としての「事業」を次の世代へと引き継ぎます。
「事業承継」ってそんなに重要なの?
現在、日本の中小事業者では、経営者の高齢化が進んでいます。元気な経営者が現役で頑張っているという理由もありますが、一方で後継者がいない等の理由により世代交代が進んでいないという側面もあります。
事業承継は、円滑な世代交代を実現することで、従業員の雇用や取引先との関係を維持し、これまで培ってきた技術やノウハウを次世代に残すためにも、経営者が取り組まなければならない重要な問題です。
「事業承継」に準備が必要なの?
いざ後継者に事業を引き継ごうと思っても、あらかじめ準備をしておかないと円滑な事業承継を実現することは困難です。次のように、考えておかないといけないことが、実はたくさんあるんです。
・後継者は決まっていますか?
・後継者は、後継者として必要な能力を身につけていますか?
・承継する資産や契約を把握していますか?
・資産や契約の承継にどのような手続が必要ですか?
・承継によって税金は発生しませんか?
どんなことから準備を始めれば良いの?
事業承継は、従業員や取引先など事業に関わる人たちにも影響を与える可能性があります。経営者だけの問題ではないことを理解し、準備の重要さを認識することがスタートです。
その上で、事業の現状把握として、
(1) 会社の強み・弱みを知り、事業を維持・成長させていくために取り組むべき課題を見つける
(2) 事業に使っている経営者の個人資産がある場合、貸借関係を整理し、承継する資産を選別する
(3) 個人資産との混同をなくし、財務状況や資金繰り状況の透明性を高める
などの準備から始めましょう。
どのくらいの準備期間が必要なの?
後継者の選定・育成から始める場合には、概ね5年から10年くらいの準備期間が必要といわれています。いずれにしろ、早めに準備を始めることが大切です。