韓国の特許の審査基準が改正され、7月1日から「コンピュータプログラム」という請求項が認められるようになった。
日本では「コンピュータプログラム」という請求項が認められているが、韓国では、これまでは、「コンピュータプログラムを記録した記録媒体」(CDやDVDなど)という形でしか認められてこなかった。今回の改正で、プログラムの保護の態様を拡大したことになる。
ただし、日本では、単純に「コンピュータプログラム」という態様を認めているのに対し、韓国では、「媒体に記録されたコンピュータプログラム」という表現を要求するようだ。
とすると、「媒体」の意味が問題となる。
ここで言う「媒体」が、単体の媒体(例えば、CD、DVD、コンピュータのハードディスクなど)を意味するのであれば、コンピュータプログラムという請求項を認めたとしても、その実質は、今までの「記録媒体」という請求項と変わらないのではなかろうか。これに対して、「媒体」が、複数の媒体でも良い(例えば、ネットワークで接続された複数のサーバなど)ということになれば、コンピュータプログラムという請求項の保護範囲は、今までよりも、かなり拡大されることになる。
いずれにしても、請求項の表現の範囲が広がったのは歓迎すべきことである。
実質的な保護範囲については、今後の実務動向を見極める必要があろう。
韓国でコンピュータプログラムの請求項が可能に(弁理士・弁護士 加藤 光宏)
- 2014年 7月 08日